vol.1『家康、江戸を建てる』を読んで


さて、江戸時代博士になるには、まず何から始めるべきか。

んー、まあ深く考えるのも面倒だし、とりあえず何か本を買って読んどきゃ良いだろ。と、読みやすそうなやつから手を付けてみることに。


結果とても面白く、かつ勉強になったので、忘れないうちに今回学んだことを記しておこう。

(ちなみに、このブログはあくまで自分用の備忘録的なものであるため、読み物として面白くしようとはしてございませぬゆえ、他人様には悪しからずです。あと本のネタバレも含みます。と言うか、ネタバレ「しか」ないですから、読むなら自己責任でお願いします)



利根川を曲げたとは、知らなんだ


そんなこと習った記憶がないんだが、一般教養なのだろか? 昔は、利根川は東京湾に直結してたそうな。それを水害対策のため、途中で千葉方面に曲げる東遷工事をして、江戸を住み良い土地に変えたのだとか。私は知らなかったので「ほへー」となった。江戸を作る順序として、まずはそれが肝心と見抜き、そしてやり遂げた「伊奈忠次(いな ただつぐ)」「伊奈忠治(ただはる)」親子のことは一応覚えておこう。

https://www.ktr.mlit.go.jp/tonejo/tonejo00185.html



秀吉と家康は、貨幣戦争をしてたらしい


慶長小判という名称は習ったかもしれんが、それが出来るまでの豊臣と徳川の競争、駆け引きがあったことは知らなんだ。し、その理由や課程が、実に面白かった。

ざっくり概要としては、戦国時代はそれまで領地を奪ったり、分け与えられたり、とにかく一番価値があるものが「領地」だったけど、秀吉の全国制覇以後は、大名への褒美が土地ではなくなった(あげれる土地がなくなった)ことを受けて、金で出来た「大判」が登場する。

そこへ、先見の明ある家康が「橋本庄三郎」に、庶民でも扱いやすく流通しやすい「小判」を作らせ、関東から貨幣を統一させようと目論み、そしてその戦いに勝つ、てな話。

お互い、小判を制したものが経済を制することを分かりながら、製造スピードや、貨幣そのものクオリティや、信用度などで競い合ってた経緯が、小説のようで誠に興味深かったなり。

https://www.histrip.jp/20181208tkyo-chuoku-4/

https://www.histrip.jp/20181207tkyo-chuoku-03/?_ga=2.67162457.913647942.1694481943-1382558799.1694481943



菓子職人「大久保藤五郎」の小石川上水
井の頭「内田六治郎」の神田上水


菓子職人が任命されるなんて作り話のようだけど、史実だっつんだから「事実は小説より奇なり」とはよく言ったもんで。藤五郎と六治郎の小競り合いも笑えるし。最初は、水圧強すぎて水柱が立っちゃったり。落語かよ、と。このエピソードはもっと世に知られても良いと思う。「水道橋」とか「溜池」とか「井の頭」とか、身近な地名のルーツも物語が添えられると、腑に落ち方がひと味違う。

https://www.histrip.jp/20181206tokyo-chiyodaku-6/

https://www.histrip.jp/20181206tokyo-chiyodaku-9/



あと、江戸城の石垣は伊豆の石だとか、壁は黒でなく白い漆喰にした理由だとか、城にまつわる他の話も読みごたえあり。一発目から、なかなか良い本に出会えますた。ので次も同じ作者の「江戸一新」を読んでみることにしやす。

一般社団法人 江戸町人文化芸術研究所

こちらは一般社団法人「江戸町人文化芸術研究所」の公式WEBサイト「エドラボ」です。江戸時代に花開いた町人文化と芸術について学び、研究し、保存と承継をミッションに活動しています。